地主にとって借地人からの買い取りの申し出は「渡りに船」
◆地主にとってのメリット
地主の立場からすれば、長年にわたり借地人に貸していた土地が
自分の所有権でありながら自由にはならなかった土地です。
わずかの地代をもらって、固定資産税は地主持ちで採算的にも合いにくい土地。
それが突然、借地人から「借地権を買い取ってほしい」との買い取りの申し出があった場合
どのように対処すべきか戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、結論から言うと、これは地主にとってまさに千載一遇のチャンス！
「渡りに船」の好機となる可能性があります。
借地権のある土地は、地主にとって自由な活用が制限されるため、借地権を買い取ることで
完全な所有権を取り戻すことができます。
この場合、借地人の要求に対して慎重に耳を傾けるか、不安な場合は
信頼できる不動産業者に仲介を依頼するのが賢明です。
ただし気をつけることは、この場合に買い取り価格を不当に安く設定してしまうと
借地人が不満を持ち、商談は決裂し、結果的に第三者（不動産業者）へ転売されてしまう可能性があります。
そうなると問題が複雑化し、地主にとって不都合な状況を招くこともあるため、適正な価格での交渉が重要です。
この場合でも、信頼できる不動産業者へ買い取り価格や条件面で相談することをおすすめします。
◆地主のとるべき方法
・借地権を買い取り、土地・建物の完全所有権を取得する
地主が借地権を買い取ることで、土地と建物の完全な所有権を取得することができます。
この場合、資金調達の方法として、金融機関からの借り入れも視野に入れることが可能です。
借地権がなくなることで、土地の担保価値が向上し、借入がしやすくなる利点があります。
・借地人と協力し、底地と借地を一体化して売却する
地主と借地人が協力して、底地と借地を一体化し、第三者に売却する方法も考えられます。
借地権がついた場合の売買では、買い手がつきにくく、ついたままでは売却価格も極端に低くなりますが
借地権と底地を一体化して売買することで、完全な所有権となるため、買い手の幅は大きく広がってきます。
ただし、売却が成立した場合の地主と借地人との取り分を事前に取り決めておく必要があります。
◆長期的な視点での検討
借地権付きの土地は、代を重ねるごとに権利関係が複雑化し、相続の際にトラブルの原因となることがあります。
子供や孫の代まで複雑な権利関係を引き継がせず、きりの良いタイミングで整理することが
将来的なリスクを回避するためにも重要です。
借地人からの買い取りの申し出は、地主にとって土地の価値を最大限に活かす絶好の機会です。
適切な方法で対応し、スムーズに解決を図ることが、地主にとって最も賢明な選択となるでしょう。