明石海峡大橋ふもとの土地売却についての苦悩
先日、あるお客様から神戸の明石海峡大橋の麓にある宅地の売却に関するご相談がありました。
お客様はこの土地を地元の不動産業者に相談したところ、「売却は難しい」と冷たくあしらわれてしまい
弊社に助けを求めて来られたのです。
弊社としても、明石海峡大橋の麓という立地なら眺望も素晴らしく、環境も良好なはず。
これまでも、このエリアで物件を探しておられたお客様が何組かいたこともあり
なぜそのような低い査定結果になるのか不思議で仕方ありませんでした。
そこで、実際に現地を確認するため、私たちは土地を見に行くことにしました。
現地に到着すると、明石海峡大橋は見えませんでしたが、最寄りのJRの駅から徒歩10分程度で
環境も悪くはありませんでした。
50坪ほどの平らな土地は高台にあり、一見良さそうな条件に思えたのですが
近づいてみると問題点が次々に見えてきました。
土地は長年放置されていたため、10メートル以上の大木が何本も茂り、まるで未開の地のような状態。
さらに、この高台に行くためには、幅50センチほどの狭く急な階段を登るしかなく
車でのアクセスは全く不可能でした。
階段下にある道路も非常に狭く、軽自動車1台が通るのがやっとであり
通常の工事車両や重機が進入するのは現実的に困難でした。
このような状況ではまず大木の伐採が必要ですが、機械が使えないため手作業での伐採になり
そのコストは100万円近くかかると予想されます。
さらに建築資材の運搬もすべて手作業となるため、建築コストは通常の土地に比べてかなり高額になります。
加えて工事中に作業車両を停めるスペースがほとんど無いため、交通の妨げにもなり
近隣とのトラブルも懸念されます。
この状況を受けて、弊社は親交のある地元不動産業者にも現地を確認してもらいましたが
「これではタダでも引き取ってもらうのが大変」との厳しい意見を頂きました。