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遺言書を書かなかったばかりに…(2)

現実を見てみると、両親のもとで育った兄弟姉妹たちは、最終的に介護の負担を

長男夫婦に押し付けていたのです。

 

親の介護には肉体的な疲労だけでなく、精神的なストレスや日常の犠牲も伴います。

 

それにもかかわらず、その労力や費用が全く評価されずに相続分が均等に分配される

という事実はなんともやりきれない気持ちになります。

 

遺言書さえあれば、こうした不公平や争いは避けられたはずです。

 

 

 

両親が健在の時に話し合っていれば…

 

このケースでは、本来であれば長男夫婦が両親の元で家業を継いでいる間に

将来、両親が亡くなった後の事業の継続や住居について話し合う機会は十分にあったはずです。

 

その時点で両親が

「長男夫婦に後を継がせるので、家も長男夫婦に相続させたい」

と意向を兄弟姉妹に伝え遺言書を作成していれば、このような事態は避けられ

兄弟姉妹も納得してもっと円満に解決できたと思います。

 

亡くなった両親としては、自分たちの死後は兄弟姉妹が話し合いを通じて

円満に解決できると考えていたのかもしれません。

 

しかし、現実には民法の規定を杓子定規に主張する兄弟姉妹がいたのです。

 

法律は平等である一方、実態は不公平なものでした。

 

 

こうした負担を引き受けてきた長男夫婦が報われることなく、財産分配に巻き込まれることは

親の介護をするのは馬鹿馬鹿しいという風潮にもつながりかねません。

 

こうした場合にも備え、遺言書を準備しておくことは、家族の絆を守り

公平な相続を実現するための重要な一歩です。

 

 

 

 

 

 

 

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