家賃値上げの中で発展進化するトランクルーム業界
さらに、トランクルーム市場にも変化が見られます。
ある会社の報告によると、トランクルームの需要が増加しているとのこと。
その理由は、広めの賃貸物件に引っ越すと家賃が高くなる一方で、月額1万円程度のコストで
トランクルームを借りて収納スペースを確保すれば、結果的に節約になるからです。
車で10分ほどの距離にあるトランクルームなら、ちょっとした荷物の出し入れにも便利ですし
特に家賃が高騰しているエリアほど、そのニーズが高まっているという話もありました。
興味深いのは、日本だけでなく国土が広く住居も広めのアメリカでも、収納ビジネスが非常に発展しているという点です。
意外に思われるかもしれませんが、アメリカのトランクルーム市場は日本以上に成熟しており
その成長スピードも速いとされています。
その背景には、アメリカでも都市部やその周辺での家賃高騰が大きな要因として挙げられます。
広い住居を借りるのは経済的に難しいため、多少の利便性の問題を許容してでも
収納スペースを借りる方がコストを抑えられるのです。
また、アメリカでは長年にわたる消費文化が根付いており、モノを捨てずに保管しておくという傾向が強いことも
収納ビジネスの成長を後押ししていると言えるでしょう。
特に大都市圏のようにスペースが限られている地域では、収納スペースを確保するために
月額費用を払うことが、もはや一般的なライフスタイルの一部となっています。
こうした状況を踏まえると、日本でのトランクルーム需要の高まりも単に家賃が高くなるという経済的な理由だけでなく
ライフスタイルの変化や「必要なものを手元に、不要だが捨てられないものは収納スペースへ」という考え方の
浸透が影響しているのかもしれません。
今後、収納ビジネスがさらに広がる可能性があるのは、日本だけでなく世界的なトレンドと言えるでしょう。
今回の会合では、不動産業界全体が大きな変化の波に直面していることを改めて感じました。
特に、賃貸物件の供給不足や家賃の上昇がどのように市場に影響を与えているのか
そして、それに対応するための新たな戦略がどのように考案されているのかが興味深い話題となりました。
また、バブル以降長期にわたって続いていた家賃の下落傾向が、ここにきて明確に上昇に転じていることを実感する場面も多く
業界全体として今後の動向に注目していく必要があると感じました。