表通りの築古物件に高額買取の申し出!でも即決は待った?
先日、あるお客様からご相談をいただきました。
「築50年以上の居住用ビルを持っているのですが、不動産業者から買取の申し出がありました。
提示された価格が路線価の2.5倍で、思ったよりも高かったので売ってしまおうかと考えています。」
お話を伺うと、その物件は表通りに面した立地の良い場所にあります。
ただし、車の騒音が気になり、転居を検討していたとのこと。
売却すればまとまった資金が入るため、一見「いい話」に思えますよね。
しかし、ここで重要なのは、「売却後にどうするか」までしっかり考えることです。
高額買取でも、次の物件が買えなければ意味がない
このエリア全体が値上がりしており、売却金額が高くても、同じエリアで同等以上の
物件を買うのは難しいという現実がありました。
例えば、今の物件を手放しても、住み替え先の購入価格が想定よりも高ければ、
結局手元に残る資金が減ってしまいます。
売却益がある程度出たとしても、買い替えには仲介手数料や登記費用、引っ越し費用、
場合によっては譲渡所得税などの諸費用がかかることを考慮しなければなりません。
そのため、お客様には
「次に購入する物件の相場を確認し、その上で買取価格の交渉をするべき」と
アドバイスさせていただきました。
売却時に注意すべきポイント
このケースに限らず、不動産の買取申し出を受けた際に気をつけたいポイントをまとめました。
《1》提示価格の妥当性を確認する
● 高額提示だからといって、そのまま承諾するのは危険です。
● 近隣の取引事例や相場を確認し、適正価格なのかを見極めましょう。
《2》売却後の住まいをどうするか決めておく
●「売った後にどこに住むのか?」を明確にしておくことが大切です。
● 買い替えの場合、新居の購入費用が思ったより高くなることも考慮しましょう。
《3》税金や諸費用を計算する
● 売却益が出ると「譲渡所得税」がかかる可能性があります。
● 売買にかかる諸費用も含め、手元に残る金額を正確に把握しましょう。
《4》信頼できる不動産業者に相談する
● 買取業者が提示する価格が本当に適正か、セカンドオピニオンを得ることも重要です。
● 価格交渉をするときも、信頼できる不動産のプロに同行してもらうことで、納得のいく条件で進めやすくなります。
まとめ:「売る」だけでなく「その後の計画」を考えて
高額買取の申し出があると、つい飛びついてしまいがちですが、本当にその売却が
自分にとって最善の選択なのかを見極めることが大切です。
今回のお客様のように、「売った後に、今のエリアで住み替えができるのか?」を
しっかり検討することが重要です。
売却は大きな決断。
焦らず慎重に、信頼できる専門家と相談しながら進めることをおすすめします!