売土地なのに「建築条件付き」とは?その理由と対処法
土地を探していると「建築条件付き」という物件を見かけたことがあるかもしれません。
「土地だけ欲しいのに、なんで建築条件がついているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
建築条件付きの土地とは?
「建築条件付き」とは、土地を購入する際にその土地の売主が指定した建築業者で
家を建てることが条件になっている物件のことです。
つまり土地を買うと決めたら、売主が決めたハウスメーカーや工務店に家づくりを
依頼しなければならないということです。
なぜ「建築条件付き」にするのか?
このような条件がつくのは、いろいろなケースがあるのですが
大抵は売主である不動産業者の都合によるものです。
特に人気エリアでは更地で売りに出される土地が少なく、土地の価格も高めです。
そのため、売主は「土地だけを売る」よりも「土地と建物をセットで売る」ことで利益を出そうとします。
建築まで請け負うことで、建物の販売からも収益を得ることができるため
土地の販売価格だけでは利益が出にくい場合にこうした手法が取られるのです。
「自分の好きなハウスメーカーにお願いしたい」場合の対処法
購入者としては「自分が気に入っているハウスメーカーに依頼したいのに
売主の指定する建築業者に頼まなければならない」というのは腑に落ちないと思われるでしょう。
「自分の知らない業者になんか建築を頼みたくない」
「自分の好きなプランで建てたいのに」
このような場合、いくつかの対策が考えられます。
◆ 売主に交渉してみる
希望するハウスメーカーで建築が可能か、まずは売主に相談してみましょう。
条件付きといっても、柔軟に対応してくれる場合もあります。
交渉の余地があるかどうかを確認してみる価値はあります。
◆ 建築条件を外してもらう交渉をする
売主との間で「建築条件を外してもらう」という交渉を行うことが可能かもしれません。
しかし、この交渉が成功するかどうかは売主の利益を考慮する必要があります。
売主は建築を請け負うことで利益を得ることを見込んでいるため
条件を外すにはその利益に見合う提案をする必要があります。
通常、ケースバイケースなのですが、建築価格の1割から2割程度を土地売買価格に上乗せしないと
更地での販売には応じないケースが多いですが、直接売主に交渉するのが難しい場合
仲介する不動産業者が入っている場合はその業者に交渉を依頼すれば良いでしょう。
一方で、売主は必ずしも建築条件付きでの販売がベストだとは考えていないのです。
というのも更地の売買の方が決済が迅速にでき、利益が早く確定することができるからなのです。
また、建築条件付きにすると買主との間で様々な買主の要望に応じた建築のプランについての打ち合わせが必要となり
煩わしい手間を減らして、少しでも早く利益を確定したいという本音もあるのです。
いかに、売主の心理をつかんで、交渉を進めるかが重要です。
こうした背景も考慮しながら、売主が納得しやすい条件を引き出すことが交渉の鍵となってきます。
◆ 売主指定の建築業者を確認してみる
交渉の結果、どうしても売主が建築条件を外せない場合
次のステップとして、売主の指定する建築業者の実績を確認することをおすすめします。
売主から過去の建築した実績やエリア、さらには具体的な場所などをヒアリングをして
以前にその建物を購入した入居者にお会いして、直接感想を伺うことも行って良いと思います。
その際、建築に際しての業者の対応や購入後のフォローはしっかりとしているのかなど
問題点や住み心地についても実際の利用者から情報を得るなど、後悔しないように
『一生に一度あるか無いかの大きな買い物』に労を惜しまないことをおすすめします。