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借主に修繕を負担させるリスクとデメリット

『家賃を安くする代わりに修繕費を借主負担とする』

築年数の古い借家、特に一軒家などによく見られるケースです。

 

本来、建物の躯体部分はもちろん、造作や水回り、電気・ガス設備の修繕は

家主が負担すべき費用なのですが、中には今回のように雨漏りの修繕をも

借主にさせているケースも見受けられます。

 

家主にとってこれらの修繕は多額の費用がかかり、非常に負担なものです。

 

また対処する手間暇が面倒などの理由で、修繕費は入居者に負担してもらい

その分家賃を相場より安めに設定するという手段はつい取りがちでしょう。

 

しかしこれは、後日いろいろとやっかいな問題を引き起こす原因になり得る

とても注意が必要なことであると申し上げておきます。

 

 

 

 

 

以下にリスクとデメリットをまとめました。参考になれば幸いです。

 

1.   借主から修繕にかかった費用の請求をされる場合、全額でないにせよ申し出のあった時点での

建物における残存する付加価値に関しては、家主が支払う義務がある。

 

2.   家主が費用請求に応じる代わりに家賃の値上げをしたい場合でも借主が値上げに応じず

裁判に持ち込んでもなかなか大幅な値上げは認められにくい。

 

3.   建て替えや売却をするため借主に立ち退きを要求しても、現在の家賃が相場より安すぎるため

次の入居先を探すのが難しく、なかなか退去に応じてもらえない。

 

4.   仮に退去に応じてもらえた場合でも、借主に多額の立ち退き料を要求される。

 

5.   入居者がいる状態で売却する場合、たとえ好立地であっても借主が居住中のために

相場からかなり売却額を下げないと買い手が見つからない。

 

6.   老朽化とともに入居者も高齢化するため、孤独死の危険性や

緊急時に親族との連絡が取れないケースも考えられる。

 

7.   地震による建物倒壊により、入居者の人命や財産への危険性が増大する。

(訴訟に至るリスクも…)

 

 

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